
家庭の外に「生活ごと預ける」という選択肢について
家庭内暴力の相談を続けていく中で、
親御さんが最後にたどり着く問いがあります。
「この子を、家の外に出すのは逃げでしょうか」
「親として、見放すことにならないでしょうか」
この問いを口にされるとき、
多くの親御さんはすでに限界を超えています。
「預ける=見捨てる」ではありません
家庭の外に子どもを預けることは、
決して「手放す」ことでも、「諦める」ことでもありません。
むしろ現場では、
一番最後まで悩み抜いた親御さんほど、この選択にたどり着く
という印象があります。
- できることはやり尽くした
- 話し合いも、支援も試した
- それでも、家庭の中では関係が壊れていく
この状態で無理を続けることこそ、
親子双方にとって危険
になることがあります。
「距離」を取ることが、関係を守る場合もある
家庭内暴力が起きているとき、
親子の距離は近すぎます。
- 感情がぶつかる
- 役割が固定される
- 逃げ場がない
この状態では、
どれだけ愛情があっても、
関係はすり減っていきます。
一度、生活の場を分けることで、
- 親は「守る側」から少し降りられる
- 子どもは「家族ではない関係性」を経験できる
- 感情がリセットされる時間が生まれる
こうした変化が、
結果的に親子関係を守る
ことにつながるケースは少なくありません。

発達障害のある子にとっての「環境」の意味
発達障害のある子どもは、
言葉や気持ちよりも、
環境から強い影響を受ける
ことがあります。
- 生活リズム
- 関わる大人の距離感
- 日々の役割
- 予測できる毎日
これらが整うことで、
初めて落ち着きを取り戻す子もいます。
家庭では難しかったことが、
環境が変わることで自然にできる
ようになることもあります。
親が「休む時間」を持つことは必要です
家庭内暴力の中で、
親御さんは常に緊張しています。
- 音に敏感になる
- 夜も安心して眠れない
- 常に次を考えている
この状態が続けば、
誰でも心身を壊してしまいます。
親が休めることは、
子どもを見捨てることではありません。
回復に向かうために、
どうしても必要な時間です。
「戻る場所」を残したまま預ける
生活の場を家庭の外に移すことは、
永遠に離れることを意味しません。
多くのケースで、
- 親子関係が落ち着く
- 会話ができるようになる
- 家庭に戻る準備が整う
というプロセスを経ていきます。
大切なのは、
「今は一緒にいない」という選択が、将来の関係をつなぐためのもの
だという視点です。

同じ選択に悩んでいる親御さんへ
ここまで読んで、
「自分のことかもしれない」と感じたなら、
それはもう、
十分に頑張ってきた証拠
です。
家庭内暴力や発達障害の問題は、
一人で抱えきれるものではありません。
同じように悩み、
「生活ごと環境を変える」選択をされたご家庭は、実際にあります。